Jカルチャーが世界的な人気を博する背景をさぐる「日本発のポップカルチャーシリーズ」第2弾として、グローバルな規模での普及がもっとも進むアニメに、焦点を当てる。アニメの制作と鑑賞の両面でグローバル化が進む一方で、アニメのなかで「日本性」が果たす役割は多面的である。日本とドイツの観客が日本アニメのどこに魅力を感じるか、そこに日本的要素を見出しているか否か等を比較して、グローバルな情報化社会の感性にマッチするメディアとしてのアニメを論じ、アニメのなかの「日本性」が国境を越えるさまに迫る。
ベルリン日独センターでの国際シンポジウム「越境するアニメの『日本』」に先立ち、前夜にベルリン市モアビット地区の劇場で、小島正幸監督のアニメ作品「ピアノの森」の上映と、アニメ制作現場に詳しいマッドハウス丸山正雄取締役と小島監督による座談会を催す。